2007年3月22日

「成瀬巳喜男」

ここんとこ仕事が忙しくて映画もビデオもテレビもみてないなあ。

なんか久しぶりに成瀬巳喜男の世界にひたりたい感じだ。成瀬といえばやっぱり「浮雲」が有名だけど、他にも面白い作品がいっぱいある。「稲妻」「妻」「流れる」「娘・妻・母」「妻として女として」などなど。

成瀬映画として、僕がよく思うのはラストシーンにちかずくたびに、もっとこの物語が続いていけばいいのに、と完全に登場人物の一人になった気持ちになることだ。

そんで成瀬映画のどうも好きなところは、なにげない商店に並んである缶詰や蝿取り紙やスクーターなど当時の庶民の必需品や贅沢品や、当たり前の物が、なぜか画面に印象ずけ、その横や後ろで役者が、いいセリフ回しや演技をしているのがとてもいい映像感覚だと思う。

晩年のサスペンス映画を数本つくったときの映画は成瀬っぽくないとか、評価は低いが、僕はそれはそれで結構面白かった。

カラックスが大の成瀬ファンで来日したとき高峰秀子に会いにいったという話を聞いたことがある。外人に成瀬の映画が解るのかと思ったけど、いい映画は国境を越えるんだなあ。

今、つたやで成瀬の作品が結構DVD化されてるんで、時間のある日、ゆっくり成瀬世界を堪能しよう。